午前3時前、もう一ミリも筆を動かせないくらい。
気持ちはまだ描きたいのに、指が止まって肘も痛い。
昔痛めた薬指の腱鞘炎が懐かしいくらいに痛み出す。
世間は長いお休みだったけれど
私はずっと絵と居た。
強制的に描けるようにアトリエでもなく、普通にリビングの片隅で。
いつものこの場所なのに、キャンバスに向かうと
どこまでもいけるしどこまでも自由で、見た事のない風景に
自分自身が一番最初に到着できる。
うまくいくか、最後はどうなるかの不安が占めて緊張するけれど
放棄すればこの風景は一生存在できない。
自分で見たいなら、そこへ行きたいなら、何も考えずに
ひたすらやるしかないし描くしかない。
寝なくったって、食べなくたって絵が仕上がればそれでいいなと思う。
絵の前でよく、力尽きて寝ていた。
目が覚めるとまた描き始めて。。。昼夜とかどうでもよく
自由で自由で楽しくて、辛くて。。。悩んで寂しくて。
絵の前では寂しい。
誰とも共有できないことが想像で
私を締める胸の内や体内のものしか絵になって出てこない。
どんなに人と居ても、どんな時間を共有しても
一人になる。気持ちの奥で楽しかった断片が
美しくキラキラする。
誰にも誰かを理解できない。
だから知りたいと思う。